【無料】過去問と肢別解説|ケアマネ試験 平成28年度 問題42
終末期のケアについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 体位変換の頻度の減少や栄養状態の悪化により、褥瘡ができやすくなる。
2 本人の意思を確認できない状況下では、家族の意見が分かれることがあるため、医療・介護専門職が方針を話し合い、その結果に基づき家族を説得する。
3 終末期には、息苦しさが楽になるよう、ベッドの角度調整など姿勢の工夫をする。
4 終末期には、身体への負担が大きいため、本人が望んでも入浴は避けなければならない。
5 家族の予期悲嘆を表現できるよう支援することは、家族に対して看取りへの心の準備を促すことにつながる。
解答
3、5
1 体位変換の頻度の減少や栄養状態の悪化により、褥瘡ができやすくなる。
適切です。
体位変換の頻度の減少や栄養状態の悪化以外にも、皮膚状態の悪化や薬の副作用などによって褥瘡ができやすくなるとされています。
2 本人の意思を確認できない状況下では、家族の意見が分かれることがあるため、医療・介護専門職が方針を話し合い、その結果に基づき家族を説得する。
適切ではありません。
本人の意思を確認できない場合、家族、医療・介護専門職で話し合いを行ない、合意を形成し、方針を決定します。
このことをコンセンサス・ベースド・アプローチといいます。
3 終末期には、息苦しさが楽になるよう、ベッドの角度調整など姿勢の工夫をする。
適切です。
息苦しさがある場合には、上半身を起こすことで、横隔膜が下がり呼吸が楽になるとされています。
4 終末期には、身体への負担が大きいため、本人が望んでも入浴は避けなければならない。
適切ではありません。
尊厳の保持の観点から、本人の意思や自己決定を尊重しなければなりません。
もちろんケアの内容や介助方法については、慎重に検討する必要があります。
5 家族の予期悲嘆を表現できるよう支援することは、家族に対して看取りへの心の準備を促すことにつながる。
適切です。
予期悲嘆とは、大切な人の死が避けられないことを知った際にに起こる、悲しみに嘆く反応のことを言います。
大切な人に死が訪れることが分かり悲しみや不安な気持ちになることは当然のことであるということを家族に伝え、感情を表出させるよう支援することで、看取りに向けての心の準備を促すことになると考えられます。