【第21回:平成30年度 ケアマネ試験】問題6

介護保険の保険給付について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 第三者行為によって生じた給付事由については、当該第三者への損害賠償請求が保険給付の要件となっている。
2 居宅介護住宅改修費については、住宅改修を行った者に対し、都道府県知事が帳薄書類等の提示を命じることができる。
3 居宅サービスに従事する医師が診断書に虚偽の記載をすることにより、不正受給が生じた場合は、市町村は当該医師にも徴収金の納付を命じることができる。
4 保険給付を受ける権利の消滅時効は、5年である。
5 居宅要介護被保険者は、指定居宅サービスを受ける都度、被保険者証をサービス事業者に提示しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

3、5

 

【どんな問題?】

保険給付に関するルールの寄せ集めです。
4は基本的な知識が問われています。
1、2、5はちょっと考えさせられる選択肢ですね。

 

【解説】

1 第三者行為によって生じた給付事由については、当該第三者への損害賠償請求が保険給付の要件となっている。

「第三者行為によって生じた給付事由」とは、例えば交通事故のようなことです。
交通事故を例にとって説明します。
介護保険の被保険者が交通事故に遭い、介護が必要となり、介護保険の保険給付を受けた場合は、市町村は交通事故の加害者(=第三者)に対して損害賠償を請求することができます。
また、既に被保険者が加害者(=第三者)から損害賠償を受けている場合は、市町村はその分の保険給付を行なわなくてよいことになっています。
しかし「第三者への損害賠償請求が保険給付の要件」つまり、損害賠償の請求をしないと保険給付ができないという決まりではありません。

 

2 居宅介護住宅改修費については、住宅改修を行った者に対し、都道府県知事が帳薄書類等の提示を命じることができる。

サービス提供事業者に帳薄書類等の提示を命じたり、報告させる権限は、市町村長、都道府県知事、厚生労働大臣が持ち得ます。
しかし、住宅改修事業者に対しては、例外的に、権限を持つのは保険者である市町村長のみになります。都道府県知事、厚生労働大臣に権限はありません。

 

3 居宅サービスに従事する医師が診断書に虚偽の記載をすることにより、不正受給が生じた場合は、市町村は当該医師にも徴収金の納付を命じることができる。

この決まりは介護保険法で規定されています。要約すると、
訪問看護、介護予防訪問看護などの医療サービスの必要性について診断した医師や、サービス事業所や施設に従事する医師・歯科医師が、虚偽の診断書を市町村に提出したために保険給付が行われた場合、市町村が徴収金を納付するよう命じることができるというもの。
この決まりを知識として知っておけばベストですが、
この選択肢が仮にXとなると、不正をした人に対して罰則がなくてよいという知識を導く問題になってしまいます。そういう問題は、試験の性質から考えて出しづらいです。つまり、この手の問題は道徳的に正しい方が正答である可能性が高いです。このような感覚を身につけておくと、〇Ⅹで悩んだ時に役に立ちます。

 

4 保険給付を受ける権利の消滅時効は、5年である。

保険給付を受ける権利の消滅時効は5年ではなく2年です。
これは現物給付=法定代理受領であっても金銭給付であっても同じです。
保険給付を受ける権利を持つのは
現物給付の場合:サービス提供事業者
償還払いの場合:利用者
となります。

 

5 居宅要介護被保険者は、指定居宅サービスを受ける都度、被保険者証をサービス事業者に提示しなければならない。

選択肢の中に「居宅サービスを受ける都度」とあります。
実務を思い浮かべてしまうと、サービスを利用する度に被保険者証を見せるなんてやってないし、できっこないからXだなとしてしまいがちではないでしょうか。
しかし、このルールは介護保険法施行規則で規定されています。
居宅サービスだけでなく、介護予防サービス、地域密着型サービス、地域密着型サービスについても同様です。
そういうものだと覚えてしまいましょう。

 

【合格に向けてのインプット】

行政によるサービス提供事業者への指導・監督

 

サービス提供事業者の育成・支援を目的とした指導

実施主体 できること 対象となるサービス提供事業者
市町村 書類等の提出/提示:求める/依頼する
質問/照会
全てのサービス提供事業者
(住宅改修を含む)

*市町村ではなく市長村です

都道府県知事 報告/提示:命じる
質問
全てのサービス提供事業者
(住宅改修を除く)
厚生労働大臣 報告/提示:命じる
質問
全てのサービス提供事業者
(住宅改修を除く)

 

サービス提供事業者の不正・違反への対応を目的とした監督

実施主体 できること 対象となるサービス提供事業者
市町村長 報告/提出/提示:命じる
出頭を求める
質問
立ち入り検査
全てのサービス提供事業者
(住宅改修を含む)
都道府県知事 報告/提出/提示:命じる
出頭を求める
質問
立ち入り検査
居宅サービス事業者
介護予防サービス事業者
介護保険施設

 

保険給付を受ける権利の消滅時効について

動画【法定代理受領と償還払い】の中で解説しています↓

この過去問解説について
・できるだけ暗記を少なくし、理解することで問題を解くことを目指しています。
・難しい選択肢は消去法で解けばよいというスタンスです(なるべく解説します)。
・難しい用語の利用や根拠法令の提示はなるべく避け、わかりやすい表現を心がけています。
・試験に合格することを目指しているため、表現が正確ではない場合があります。
・内容には万全を期していますが、誤りがあっても責任は負いかねます。また内容は予告なく修正することがあります。

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