【第21回:平成30年度 ケアマネ試験】問題52
介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 訪問介護事業所と同一敷地内にある建物の居住者に対して訪問介護を提供した場合には、介護報酬は減算される。
2 耳式電子体温計により外耳道で体温を測定することは、医療行為に当たるため、訪問介護員が行うことはできない。
3 訪問介護計画において計画的に訪問することとなっていない身体介護を訪問介護員が緊急に行った場合には、所定の単位を加算できることがある。
4 サービス提供責任者については、専従する常勤のものであれば、特段の資格要件はない。
5 新規に訪問介護計画を作成した利用者に対してサービス提供責任者が初回の訪問介護に同行した場合には、所定の単位を加算できる。
【解答】
1、3、5
【どんな問題?】
訪問介護についての理解を問う問題です。
訪問介護は要介護者を対象とした、スタッフが訪問するタイプのサービスの一つです。
→問題40の【合格に向けてのインプット】参照
色々な内容を寄せ集めた問題です。
【解説】
1 訪問介護事業所と同一敷地内にある建物の居住者に対して訪問介護を提供した場合には、介護報酬は減算される。
〇
通称同一建物減算と呼ばれる減算です。訪問介護事業所と同じ敷地内や隣接した敷地内にある建物に住む利用者へのサービスであれば、移動の手間が少なくて済むという趣旨です。
2 耳式電子体温計により外耳道で体温を測定することは、医療行為に当たるため、訪問介護員が行うことはできない。
X
耳式電子体温計により外耳道で体温を測定と聞くと難しそうですが、要は耳で体温を測ることですね。
脇の下で体温を測ることも含め、医療行為に当たらないので、訪問介護員が行なうことができます。
3 訪問介護計画において計画的に訪問することとなっていない身体介護を訪問介護員が緊急に行った場合には、所定の単位を加算できることがある。
〇
緊急時訪問介護加算といいます。
計画にないサービスを緊急に行った時に取れる加算くらいのことを覚えておきましょう。
4 サービス提供責任者については、専従する常勤のものであれば、特段の資格要件はない。
X
介護福祉士、実務者研修などの資格要件があります。
5 新規に訪問介護計画を作成した利用者に対してサービス提供責任者が初回の訪問介護に同行した場合には、所定の単位を加算できる。
〇
初回加算といいます。
新規に訪問介護計画を作成した時に取れる加算くらいのことを覚えておきましょう。
【合格に向けてのインプット】
同一建物減算(通称)
同一建物減算と呼ばれる減算は、保険給付されるサービスのうち、スタッフが訪問するタイプのサービス(ここでは訪問系と呼びます)と、利用者が通うタイプのサービス(ここでは通所系と呼びます)に適用されますが、タイプによって条件が違います。
サービスの種類 | 対象となる利用者 |
訪問系 →サービス名に訪問が付くサービス (例:介護予防訪問入浴介護) |
サービス事業所と同じ敷地内、隣接敷地内にある建物に住む利用者 |
通所系 →サービス名に通所が付くサービス (例:療養通所介護) |
サービス事業所と同じ建物に住む利用者 |
*これ以外にも条件・決まりがありますがここでは省きます。
医療行為に該当しない行為
ここに上げる行為は医療行為に当たらないとされたため、訪問介護員が行なうことができます。
自動血圧測定器による血圧測定
新生児以外で入院治療の不要な者へのパルスオキシメータの装着
軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について専門的な判断や技術を必要としない処置(汚物で汚れたガーゼの交換を含む)
軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)
湿布の貼付
点眼薬の点眼
一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)
坐薬挿入
鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助
この決まりの根拠となっているのは、厚生労働省が出した解釈通知です。詳しく知りたい方は通知を参照してください。→医政発第0726005号の厚生労働省政局長通知
・難しい選択肢は消去法で解けばよいというスタンスです(なるべく解説します)。
・難しい用語の利用や根拠法令の提示はなるべく避け、わかりやすい表現を心がけています。
・試験に合格することを目指しているため、表現が正確ではない場合があります。
・内容には万全を期していますが、誤りがあっても責任は負いかねます。また内容は予告なく修正することがあります。